こんにちは、じかつねっとのJIN(@jikatu_info)です。
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先日、日商簿記3級のネット試験を受験してきました。
簿記って聞くと「地味そう」「なんだか地味」「ジョニーじゃなくてジミー」といったイメージを持たれる方も多いと思います。
簿記試験を受験する高校の同級生に対して、当時金髪坊主頭で調子ぶっこいてた僕自身もそう思っていた一人でした。
同級生にはこの場を借りてお詫びします。
「大変!まことに!!申し訳!!!サーーセンしたーーー!!!!」
そんな僕がアラフォーにもなってどうして簿記検定を受けるんだ?という話ですが、その理由は「法人の会計知識を学び、会計事務を自分でやってみたい」と思ったからです。
これまで個人事業の確定申告を5年以上やってきたのですが、ここまでは簿記の知識がなくても何とかなっていました。
オンライン会計ソフトの入力画面に、動いたお金の理由(経費なのか売上なのか)を月に1回程度まとめて入力していけば、あとはソフトの指示に従ってポチポチするだけで確定申告書が完成する。
(やよいの青色申告オンラインは本当に優秀。迷える子羊事業主を無事に確定申告まで導いてくれます。しかも初年度無料は弥生だけ)
そして自分の手取りはざっくり「売上ー経費」の額。めっちゃシンプル。
しかし法人の場合は話がガラッと変わります。
自分の給料を「役員報酬」という名の固定給で毎月定額制にしなければならず、社会保険料も会社負担分を上乗せして支払います。
また、どれだけ儲かってもそれはあくまで「会社の収益」であり、自分の懐に入るのは年度はじめに設定した「役員報酬の額」なんです。
ある意味ではサラリーマン時代に逆戻りしたような感覚を覚えましたが、あぁ、このままではやばいぞと。(納税的な意味で)
これは上手に運用しないとまずい。自分のお金を守れるのは自分しかいない。
そうだ⋯⋯これは(国からお金を)食うか食われるかの骨肉の争いだ。絶対に負けられない戦いがここにはある!(納税しろ)
そう意気込んで迎えた簿記試験当日。
万全の体制で臨んだはずだった。
当日の朝も模擬試験を合格ラインでクリアし、あとは本番を残すのみ。
筆記用具もメモ用紙も支給されるとのこと。
「カバンも持っていかなくていいのでは?」と一瞬考えたが、いや、帰りのバッグには入れるものがあるではないか。
そう、合格証書だ。(ドヤァ)
合格証書を入れるためだけの空のバッグを持ち(ドヤァ)、車を走らせ、駅前のネット試験会場に到着。
冷えた手を温めるため、行きがけにコンビニでホットココアも買っておいた。
受付のお姉さんに手続きをしてもらう。
- 身分証の確認 → OK
- スマホやバッグなどは全てロッカーへ
利用規約を読んだフリしてサインをしたのち、メモ用紙とペンが入ったクリアファイルを渡される。
「ブース内に持ち込めるのは、このクリアファイルと電卓だけです」
「ん?今なんとおっしゃいました???」
「ブース内に持ち込めるのは、このクリアファイルと電卓だけです」
そこで大いなる過ちに気づく。
「で⋯⋯でんたく持ってきてねぇ⋯⋯!!!!」(←そもそも手ぶらで来ようとしてた奴)
「えっとその⋯あの⋯⋯でで電卓を持ってくるのを失念したというか忘れてしまっているのですが、な⋯なにか救済措置はありませんでしょうか?」
「残念ながらありません。試験用のパソコンにも電卓機能はついていませんので」
「なるほど」(スマートフォンの電源をおもむろにONにする僕)
「あ、スマートフォンの持ち込みももちろん禁止です」
「ふぅ⋯⋯」
深く深呼吸した僕は落ち着いてTwitterを開き、こうつぶやいた。
そしてこう言った。
「今から電卓⋯⋯探してきます!!!」(ドヤァ)
ロッカーの荷物を軽やかに取り、試験場を後にする僕。
受付のお姉さんは言う。
「開始5分前に戻られなければ失格となります」
この瞬間から僕の簿記検定は始まった。残る時間は8分。
階段を3段飛ばしで駆け降り、入り口を出た角を曲がった瞬間からさっきのコンビニまで全力で走る。
40前のおっさんが、人目をはばからず駅前を本気で駆け抜ける。
こんなに本気で走ったのはいつ以来だろうか?高校のマラソン大会でもここまで本気を出したことはない。
すれ違う人たちがいかがわしい視線で僕を見る。きっと漏れそうな人と思われたに違いない。お前らの顔は一生忘れねぇ。
そして近所のコンビニに到着し、店員さんに可能な限りのイケボで尋ねた。
「ハァハァ⋯電卓⋯⋯電卓はどこですか」
「文房具のコーナーにあります」
「ひとついただこう」
電卓は手に入れた。これでもう合格証書は手に入れたも同然だ。何かを勘違いしている気がするが問題ない。電卓を手に入れた僕をポケモンに例えようと思ったがポケモンはやったことがなかった。
⋯⋯残り3分。
折り返しの道のりを再び全力疾走する。全身の汗が噴き出す。世界が輝いて見える。
怪しい目線で僕を見る人々。もう何も言うまい。
そして残り1分で試験会場に到着し、すっかり冷えてしまったココアを乾いた喉に流し込み、試験に挑んだ。
そこからどうやって家に帰ったのか、あまり記憶がない。
あるのはもう2度と使わないであろうポケット電卓(968円)と、「合格」と書かれたA4の用紙が1枚だけだった。
完
※追記 合格証書はネット画面上で発行されます。